フッ化物配合歯磨剤の正しい使用方法について
こんにちは、静岡市の歯科医院『駿河デンタルオフィス』です。
2023年1月1日、日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会が合同で、フッ化物配合歯磨剤の新たな推奨使用方法を発表しました。この声明は国際基準に基づいたもので、フッ化物配合歯磨剤の効果が高いエビデンスに裏付けられていることを示しています。現在日本でもフッ化物配合歯磨剤の普及率は90%を超えていますが、その使用法に対する理解が重要です。今回は、年齢別の使用方法や特定のケースでの利用法について解説します。
年齢別のフッ化物配合歯磨剤の使用方法
フッ化物配合歯磨剤の使用は、年齢によって推奨される量や使い方が異なります。以下に、各年齢層に適した使用方法をまとめます。
出典:日本小児科歯科学会より引用
歯が生えて~2歳
乳歯が生え始めたらすぐに、口腔ケアを始めましょう。この時期の歯磨剤は900~1000ppmのフッ化物配合のジェルタイプが推奨され、量は米粒大(1~2mm)が適切です。子どもが小さいうちは、保護者の方がしっかりと管理しながら行うことが大切です。
3歳~5歳
この時期は子どもが糖分を摂取する機会が増えるため、むし歯のリスクも高まります。歯磨きは子どもに任せず、必ず仕上げ磨きを行いましょう。900~1000ppmのフッ化物配合歯磨剤をグリーンピース大(5mm)使用し、1日2回のブラッシングが推奨されます。また、歯磨剤の管理は保護者の方が行い、子どもの手の届かない場所で保管しましょう。
6歳~成人、高齢者
6歳以上から成人、高齢者までは1500ppmのフッ化物配合歯磨剤を1.5~2cm使うことが推奨されています。日本では1450ppmFと明記された製品を選ぶことが一般的です。また、1日2回以上のブラッシングが望ましく、うがいは少量の水で1回のみ行うことでフッ化物の効果を最大限に引き出せます。
根面う蝕への対応
高齢者になると、歯の根が露出する根面う蝕のリスクが高まります。実際に、60歳以上では22%の人が根面う蝕を経験しているというデータもあります。初期の根面う蝕に対しては5000ppmのフッ化物配合歯磨剤が進行を抑える効果があるとする研究結果もありますが、日本では1500ppmのフッ素濃度までしか認可されていません。今後、基準の見直しが期待される分野です。
インプラント患者への使用
インプラント治療を受けている方に対しては、フッ化物配合歯磨剤の使用が議論されています。中にはフッ化物がインプラントを腐食させる可能性を懸念する声もありますが、現在の研究では低濃度かつ中性のフッ化物であればインプラントを腐食させるリスクはないとされています。
まとめ
フッ化物配合歯磨剤は年齢や状況に応じて適切に使い分けることが、歯の健康を長く保つ鍵となります。
駿河デンタルオフィスは、患者様お一人お一人の歯、ひいては全身の健康と真剣に向き合っています。歯についてお困りごとがある方は、ぜひ駿河デンタルオフィスにご来院ください。