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当院の滅菌へのこだわり

超滅菌主義……。当院にとっては特別なことではありません

10年ほど前の調査ですが、

ハンドピースと呼ばれる「歯を削ったりクリーニングする医療器具」を患者さんごとに交換し滅菌・消毒している歯科医師は約14%だった

という驚くべき実情が発表されたことがありました。さらに、患者さんごとに器具を交換していても、消毒はアルコールで拭くのみ、といったケースもあったのです。

この当時、私はまだ新米の歯科医だったのですが、こんな現状がまかり通っているわが国の歯科医療界に、ショックを受けたものでした。器具の交換、滅菌、消毒、これらは当たり前のことだからこそ、その中身は最高水準でなくてはならない。患者さんに見えないところだけど、そこに手を抜かない。見えないところにいかに力を入れることができるか…。これは治療そのものにも言えることです。患者さんには見えない歯の中の根管に対していかに手を抜かず、しっかりとした治療を行うかというのも同じことです。歯の型どりも同じです。患者さんにはうまく型どりができたかどうかはわかりませんが、私はしっかりと型どりができるまで一切妥協はしません。これこそ、私のポリシーです。色々なことに徹底してこだわります。安心・安全な医療を提供するためのベースになる滅菌・消毒に対するこだわりは特に強いです。

そのために、駿河デンタルオフィスでは、確実な洗浄・消毒を行うための「ミーレ ジェットウォッシャー」すべてのハンドピースを内部から完全に洗浄し滅菌する「DACユニバーサル」、歯科医療先進国であるヨーロッパ諸国の厳しい基準「クラスB減菌レベル」をクリアする「DACプロフェッショナル」の採用など、考えうる最高の滅菌環境を患者さんにご提供しています。

ところで、これらの機器は大変高価であり、歯科医院といえども軽い気持ちでは導入できません。しかも、これらの機器を使ってハイレベルな洗浄・消毒・滅菌を行えば、ハンドピースなどの器具の寿命も短くなってしまいます。しかし、患者さんのお口の中を診断・治療するという行為において、衛生管理は何よりも先に整備しなくてはならない問題です。どんなに優れた手技を持っていても、感染予防などの問題を真剣に考えないのでは、歯科医師として失格でしょう。

当院では院長である私自身が『自分がされたいと思うこと(しっかり滅菌された器具を使用する)』を行い、『自分がされたくないこと(消毒・滅菌が不十分)』は行わないようにする。そんな至極当たり前のことを粛々とやっているだけです。
実際の治療を行う前、つまり患者さんをお迎えするそのときに、自分ができることはすべて整えておきたい。駿河デンタルオフィスの「超滅菌主義」は、こんな思いから生まれた言葉なのです。

 

当院の滅菌へのこだわり

駿河デンタルオフィスでは、お口の中に入るほぼすべての治療器具を患者さん毎に滅菌処理をしています。また、滅菌できないものについては使い捨てのものを使用しています。「そんなの当たり前のことじゃないの?」とお思いになるかも知れません。
しかし、かつて新潟大学歯学部で行われた調査によると、「*ハンドピース(歯を削ったり、歯をクリーニングする医療機器)を患者毎に交換・滅菌・消毒している歯科医師は14.1%」※1とあり、85%以上の歯科医師が”使い回し”をしているという現状が示されました。
また、この14.1%の中には、ウイルスや細菌を完全に死滅させている訳ではない“消毒”も含まれており、「*ハンドピースを患者ごとに滅菌する歯科医師は7.7%」※2というデータもあるように、残念ながら日本においてはまだまだ感染予防が徹底されていないというのが現状です。
あなたが外食へ行った時に洗っていないお箸が出てきたらどう思われますか?
え”っ!と思うのが普通だと思います。お口の中に入るものですからきれいに洗ってあるのが当たり前だと考えるのが普通です。
しかし歯科医院で使われている*ハンドピースを患者さん毎に滅菌している歯科医院は、わずか7.7%です。消毒用アルコールで表面のみを拭いているという歯科医院がほとんどです。『消毒用アルコールで拭いているから大丈夫』と言われている先生は外食時において店員さんに使用済みのお箸を出されて、『アルコールで拭いてあるから大丈夫です!』と言われて納得されるのでしょうか? 私は絶対に嫌です。ましてや治療後のハンドピース(歯を削る道具など)には唾液や削りカス・血液等が付着しているので、その汚染度はお箸の比どころでは有りません。(図1,2参照
※1:「高木律男:歯科における院内感染対策調査報告2003」
※2:「花田信弘:日誌評論627:171-184 1995」

 

来院される患者さんに安心・安全の医療を提供するために・・・

当院では世界最高水準の洗浄・消毒・滅菌レベルを提供します。
ミーレ ジェットウォッシャー(歯科治療で使用した器具を洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を自動的に行う医療用熱水消毒洗浄機)
DACユニバーサル
(すべてのハンドピースを外部だけでなく内部も確実に洗浄・滅菌できるクラスS滅菌器)
DACプロフェッショナル(世界最高基準のクラスB滅菌器)
を導入しています。

 

ミーレ ジェットウォッシャー

ジェットウォッシャー(ウォッシャー ディスインフェクター)とは歯科治療で使用した器具を洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を自動的に行う医療用熱水消毒洗浄機のことです。感染の原因となる血液や唾液などのタンパク汚れを落とします。タンパク汚れはタンパク質が凝固しない55℃以下の強力水流で洗浄します。

さらに93℃の熱水ですすぎを行うことで高レベルの洗浄・消毒が可能となり、乾燥終了後は素手で触っても安全なレベルとなります。
徹底した温度管理と高い水圧による洗浄で、肝炎ウイルスやHIVウイルスにも効果を発揮します。ミーレジェットウォッシャーでの洗浄・消毒が終了した時点で肝炎ウイルス、HIVウイルスは不活性化します(感染する恐れがない状態になります)。
下の表は実際のミーレ ジェットウォッシャーの洗浄・すすぎ・消毒・乾燥のプログラムです。

器具を洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を自動的に行うので、優れた洗浄・消毒効果を得ることができその効果を標準化することができます。
しっかりと洗浄された状態にしてから滅菌を行います

ミーレジェットウォシャーについてくわしく知りたい方はこちら

滅菌をする前に行うべき非常に重要なこと
それは洗浄がしっかりとできているということ
洗浄がしっかりとできていないと器具に付着した血液や唾液やタンパク汚れが器具についたままになりますので、いくら強力な殺菌力のある消毒液・殺菌液をつけても器具の内部までは浸透しにくいです。
例えるならキッチンや浴槽のヌメリや汚れは洗剤をかけただけではキレイになりませんよね。スポンジやブラシなどでこすってはじめてしっかり汚れが取れますよね。この状態がつまり洗浄です。

一般的な歯科医院(≒ほとんどの歯科医院)では使用した器具・機材を洗浄液・消毒液につけたり、超音波の洗浄機にかけたり、手洗いをして洗浄します。その後に滅菌(ほとんどの場合はクラスNの滅菌機)という工程をしていきます。
しかし、人の手で洗浄を行うため実は結構汚れが残っているということがあります。また、歯科治療の器具は先端が鋭利な器具が結構多いため洗浄中にスタッフが器具で指を傷つけてしまうという事故も起こることがあります。

洗浄だけでなく消毒・乾燥を全自動で安全に行いかつ優れた洗浄効果があるのがミーレ社のジェットウォッシャーです。
歯科専用の器具洗浄機(ジェットウォッシャー)の代わりに家庭用や業務用の食器洗い機(食洗機)を使用している歯科医院も残念ながら結構あります。
食洗機ではもちろん必要かつ十分に治療用の器具を洗浄することはできません。(仮にそれができるのであれば医療用の器具洗浄機は発売されることがありません。)

食洗機でキレイにするための汚れのターゲットは主に油汚れです。器具洗浄機(ジェットウォッシャー)のキレイにするための汚れのターゲットは主にタンパク汚れです。
そのため食洗機では油汚れを取るための洗剤器具洗浄機(ジェットウォッシャー)はタンパク汚れを取るためのタンバク分解用洗剤を使用します。

また、タンパク汚れは高温になると(熱いお湯で)タンパク凝固を起こします。例えるならタマゴがゆで卵になる時のような変化・生の肉に火を通した時の変化です。
食洗機は油汚れを取り除くためにいきなり熱湯を使いますが、それを治療用の器具に行なった場合、器具に付着した血液やタンパク汚れは凝固してしまい(固まってしまい)その後いくら洗ってもなかなか取り除くことが難しくなります。つまり、治療器具を洗浄するのに食洗機を使うということは本来の目的を果たさないのです。

しかし、ジェットウォッシャーは血液やタンパクが凝固しないで落としやい温度(55℃)でタンパク分解用洗剤を使用して洗浄を行います。
そしてその時の水流のパワーが圧倒的に違います。循環水量としては1分間に500リットルです。まさにジェットです。

もちろん食洗機ではこのようなパワーはありません。(食洗機にはそこまでのパワーが必要ないので当然と言えば当然ですが…)

ちなみに当院で使用しているミーレ社のジェットウォッシャーPG8591は2018年現在、各社の出している歯科医療器具洗浄機の中でも最も高性能であり、最も高価格の製品です。やはり良いものは高いです。本体及びそのアクセサリーの合計金額は約300万円です。(家庭用の食洗機は5~10万円くらいです)
患者さんに安心・安全な歯科医療を提供するため、働くスタッフの安心・安全のためにも必要なものにはコストがかかっても私は投資を惜しむつもりはありません。
残念ながらジェットウォッシャー(ウォッシャー ディスインフェクター)の歯科医院への普及率は2018年現在10%もありません。

 

DACユニバーサル

歯を削ったり、クリーニングしたりとハンドピースはほとんど全ての治療に使われます。
当院ではDACユニバーサルというハンドピース専用のクラスS滅菌器を導入しています。『シロナ社のDACユニバーサルのみがハンドピースの外側だけでなく、内部まで確実に滅菌・洗浄することができます。』それ以外の滅菌器ではほぼ不可能です。
ほとんどの歯科医院においてある一般的な滅菌器はクラスNの滅菌器(オートクレーブ)というものです。クラスNの滅菌器ではハンドピースの内部をしっかりと滅菌することは不可能です。『クラスNの滅菌器は包装されていない(非包装)の器具の表面のみ滅菌できます。』包装された器具に関しては確実に滅菌されることはありません。
ハンドピースを多く揃えること、そのための滅菌機材を揃えることはコストのかかることです。しかし、安心・安全には変えられません。
患者さんに安心・安全な歯科医療を提供したいと本気で考えている歯科医院のみが導入しています。

 

DACプロフェッショナル

歯科医院には必ずある滅菌器(オートクレーブ)。当院で採用するシロナ社のDACプロフェッショナルは最も厳しいとされるヨーロッパ基準の『クラス B 滅菌レベル』を達成。これで初めて歯科医院で皆様のお口の中に用いる器具の完全な滅菌が可能になるとも言われております。当院ではインプラント手術や歯周外科手術、抜歯等の外科的な治療だけではなく、全ての治療で患者さんに『クラス B滅菌器にて滅菌された器具』を提供しています。
滅菌器のレベル、気にされたことありますか?
実は滅菌器には3つのレベルがあります。

滅菌器のクラス分類
滅菌する対象物によって、滅菌器のクラスが分かれます。

  • クラス B(Big) DACプロフェッショナル

チャンバー内の残留空気を抜き真空状態を作りながら、飽和蒸気を浸透させる(3回)というダブルコントロールシステムを採用する滅菌器。この高度な機能により、耐熱性のあらゆる被滅菌物を確実に滅菌することが可能。

 

  • クラス S(Specific) DACユニバーサル

メーカーが特定し、文書化した製品に対して高度な滅菌が可能な滅菌器。

 

    滅菌可能:非包装の中空製品(ハンドピース、バキュームチップ、シリンジノズル等)、包装/非包装の固形物(ミラー、カンシ等)。

 

    滅菌不可:繊維製品や包装されている中空製品

 

  • クラス N(Naked) 一般的な歯科医院においてある滅菌器

非包装の固形物のみを滅菌するシンプルな滅菌器。

 

    滅菌可能:固形物(ミラー、カンシ、バー、印象トレイ、バット、ピンセット等)。

 

    滅菌不可:固形物以外の製品(中空製品のハンドピース、バキュームチップ、シリンジノズル、繊維製品)。
被滅菌物 クラスB
DACプロフェッショナル
クラスS
DACユニバーサル
クラスN
通常の滅菌器
固形製品(包装) ミラー、カンシ、
バー、バット、
印象トレイ、
ピンセット
×
固形製品(非包装)
中空製品(包装) ハンドピース、
シリンジノズル、
バキュームチップ
× ×
中空製品(非包装) ×
繊維製品(包装) ガーゼ、ドレープ、衣類 × ×
繊維製品(非包装) × ×

日本の現状:多岐に亘る製品を滅菌パックに入れて通常の滅菌器(クラスN)を使用している歯科医院がほとんど。(2018年現在クラスBの普及は10%未満)
⇒ヨーロッパ先進国では『クラスNの滅菌器では医院の営業許可の可否問題になります』

また、通常の滅菌器(クラスN)で滅菌パックに入れて滅菌しても滅菌パックそのものが滅菌され、滅菌パックの中の器具が確実に滅菌されることはありません。通常の滅菌器(クラスN)で滅菌されるのは包装されていない固形製品のみです。
これ以外でも当院では患者さん毎のグローブや紙コップ、エプロン、3way シリンジの先端、レジン用の筆、その他の使い捨てできる器具(歯を削るためのバー=ドリルの先端、根管治療時のファイルなども含む)を積極的に導入しています。しっかりと洗浄・消毒・滅菌をすることおよび使い捨ての器具の使用にはコストがかかりますが、それを患者さんへ転嫁する事は保険診療の取り決めで出来ない事になっており、経費の事を考えると頭を悩ます問題ですが、自分が受けたいと思える治療体制を提供するためには避けて通れない事です。

DACユニバーサルとDACプロフェッショナルの合計は約200万円です。ミーレ ジェットウォッシャーが約300万円。適切な洗浄・消毒・滅菌処理(感染予防対策)は大変な手間と費用がかかります。また、高温で処理するため、高価なハンドピース(1本あたり10〜30万円)が通常よりも早く消耗してしまうデメリットもあります。
そのため、しっかりした滅菌処理を避ける歯科医院が多いという現状があるのです。さらに使い捨て器具の消耗品、ハンドピースの修理や追加購入、医療廃棄物の処理費用、ランニングコストなども考えると当院では年間400万円ほどかかっております。(どこまでこだわるかによってかかる費用は全く異なります。)

しかし、滅菌をしっかりしないということは、衛生的な問題はもちろん、血液を介した感染症の危険性があるということ…。
それに、歯科治療のほとんどを占める虫歯や歯周病というのは細菌感染が原因の感染症です。それに対してしっかり対応するだけでなく、滅菌不十分という危険から患者さん・働くスタッフを守るため、また医療人として当然のモラルを全うするため、当院では一人の患者さまの治療が終わるたびに、使いすてできるものは使い捨て、使い捨てできない治療器具に関しては適切な洗浄・消毒・滅菌処理を施しています。

滅菌処理は裏方作業であるため、最高の洗浄・消毒・滅菌器を使用しても患者さんの目に映りにくいこと、それにこだわればこだわるほどコストがかかりますがそれを請求出来ないので殆ど自己満足の機器になってしまっている等々、虚しさがあります。そのためなのか、患者さんのことを本当に考えた意識の高い歯科医院でしか導入がされていないという現実があります。(2018年現在、ジェットウォッシャー(ウォッシャー ディスインフェクター)やクラスB滅菌器の普及率はわずか10%未満です。)
しかし、本当に患者さんのことを考えたら必要不可欠だと思います。まさに、『滅菌は愛である』自分自身が心から受けたいと思える医療を提供していきます。

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当院は、完全予約制です。

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