マイクロスコープ・治療用顕微鏡について
こんにちは。静岡市の歯科医院「駿河デンタルオフィス」です。
当院では、正確で確実な治療のために、さまざまな最新機器を導入しております。そこで今回は、マイクロスコープ(治療用顕微鏡)についてご紹介します。
マイクロスコープ(治療用顕微鏡)とは
マイクロスコープは、治療する部分を肉眼の5~20倍にまで拡大できる高精度の顕微鏡を指します。歯科医師の肉眼のみで行うこれまでの歯科治療では、歯の細かい凸凹や被せ物と歯がきれいにフィットしているかなど、見えない部分は歯科医師の経験と勘に頼る必要がありました。
そんな中、マイクロスコープを導入することによって、根管治療(こんかんちりょう:歯の根の治療)のような肉眼では確認できない部分の治療や、ミクロレベルの患部の治療まで確実で正確に行えるようになるのです。
マイクロスコープによって、精密な判断、治療により感染の除去、そして再治療の可能性を低下させることで、患者さんご自身の歯を長期的に維持でき、お口の中の健康をより良い状態で保つことにつながります。
当院がマイクロスコープを導入した理由について
当院が最新の機器であるマイクロスコープを導入したのは、患者さんに正確で質の高い治療を提供するためです。
患者さんにとって一番良い治療を行うことは、歯科医師として当然のことであり、医療従事者の使命だと考えております。
そのために最も良いと思う設備の導入をしております。
多くの歯科医院では拡大鏡(メディカルルーペ)を使用していますが、マイクロスコープは視認倍率が5~20倍もあり、得られる視野も非常に鮮明です。
このような機能は、根管治療のようなデリケートな治療を行う際に絶大な効果を発揮します。
これは、我々歯科医師にとっては大きなストレス軽減につながり、結果的に治療精度が高まり、患者さんにとっても従来に比べて良い治療が提供されます。
マイクロスコープのメリット
次は、当院で導入しているマイクロスコープのメリットをいくつかご紹介します。
- 正確性の向上:患部を拡大し、確実に確認できるので、効率的で正確な判断と処置が可能です。
- 精密性の向上:これまでの方法では識別できなかった虫歯の兆候や、根管内部の状態がわかるので、病気のリスクを見逃しにくくなります。
- 負担の軽減:見えない部分を処置するといった歯科医師の肉体的・精神的な疲労を解消できるので、適切なコンディションで治療に臨むことができ、より治療の精度を高めることにつながります。
当院では、多くの治療、特に自由診療でマイクロスコープを活用しています。
患者さんの歯の状態をしっかり把握し、適切な治療を行うためには、拡大視野が必要と判断したら積極的にマイクロスコープを使用しております。
マイクロスコープが活躍する場面
歯科治療において、マイクロスコープが活躍する場面は数多く存在します。肉眼のみの治療と、マイクロスコープを使った治療では、どのような違いがあるのでしょうか。
インプラント
インプラント治療は、歯科治療の中でも特に慎重に行う必要がある処置です。まさに、失敗が許されない難しい処置とも言えます。
インプラント治療でのマイクロスコープの使用は、施術を精密に行えるだけではなく、切開や骨造成手術でも、ダメージを最小限に抑えることが可能です。
ダメージが少ないと、それだけ回復にかかる時間も短くなり、処置後に腫れる可能性も低くなるでしょう。
歯の神経を残す治療
当院では神経(歯髄=しずい)まで到達する重度の虫歯でも神経をとらずに保存する治療である「Vital Pulp Therapy(生活歯髄療法 覆髄:断髄)」を行っております。
ほとんどの歯科医院では、「神経まで達する虫歯」であると「神経を取る処置=抜髄(ばつずい)」の適応としています。
しかし、「抜髄」を行うことで神経の役割を失ってしまいその歯の寿命を短くしてしまうことが多いです。
しかし当院では「神経まで達する虫歯」であっても、「抜髄」ではなく、MTAを使用した「Vital Pulp Therapy(生活歯髄療法 覆髄:断髄)」を第一選択に考えており、歯髄を残すことに徹底的にこだわっております。
感染を防いで安全に長持ちさせるための治療を行いためにマイクスコープを使用しより精密な診療をしております。
精密根管治療
歯の神経を取り除く根管治療は、肉眼のみの処置ではどうしても限界があります。歯の内部は非常に複雑なつくりで、神経の通る穴が曲がっていたり、根管治療の再処置であれば内部にひびが入っていたりといったケースが良くあります。
神経を取り残したりひびをそのままにしていたりすると、根尖病変の発症原因にもなり、非常に危険です。そんな事態を避けるためには、マイクロスコープを使った精密な根管治療を行うことが大切です。
審美歯科
高い審美性を持つセラミックは、金や銀の素材に比べて、フィット性が劣る素材があるといった欠点があります。
しかし、歯型を取る前の形成時に、精密に削って形を作り上げることによって、凸凹のないきれいなラインができあがり、天然歯と被せ物の境目から発生する虫歯のリスクが大幅に低下するのです。
またセラミックを装着する際の接着剤(セメント)の取り残しの確認に必須です。
(肉眼では取り残すことが多いです。)
被せ物を長持ちさせたい方や、再治療を避けたいという方は、マイクロスコープを使った治療が最適です。
メンテナンス
マイクロスコープは、歯のクリーニングなどメンテナンスでも活用されます。
歯の表面に付いた歯石の取り残しの有無や、歯周病の場合は歯茎の内部に歯石が潜んでいないかを細かくチェックします。
また、ものを噛んで痛みを感じる歯は、破折している可能性があるため、表面にひびが入っていないかを確認するのです。
まとめ
今回は、当院がマイクロスコープ(治療用顕微鏡)を導入している理由やマイクロスコープのメリットなどについてご紹介しました。
当院では、患者さんが安心して歯科治療を受け、いつまでも健康的なお口を保てることを願っております。
お口のお悩みや何か不安なことがあるという方は、ぜひ当院までお気軽にご相談くださいね。一緒にお悩みを解決していきましょう。