歯を長持ちさせるには?-5つの秘訣
こんにちは、静岡市の歯科医院『駿河デンタルオフィス』です。
55-74歳の男女に、「今、後悔していることは?」というアンケートを取ったところ「歯の定期検診を受ければよかった」と言う人が一番多かったという結果があります。
一方、一番の楽しみは「おいしいものを食べること」だったそうなので、その結果とリンクしていますよね。
歯を失うと、お肉やお煎餅など、食べたいものが食べられなくなることもあります。年齢が上がるにつれて、食事の楽しみを実感する方が多いようなので、人生からこの楽しみが失われるのは辛いことです。
そこで、今ある歯を長持ちさせるための方法を5つご紹介したいと思います。
1. 歯磨きは5分以上
人間の歯は親知らずを含めると32本、親知らずのない人でも28本あります。これを1本につき表と裏で5秒ずつ磨いていくと4分40秒~5分20秒かかるという計算になります。
このため、歯磨きは5分以上行うのがおすすめです。
とはいえ、毎日忙しい日々を送られている方の中には「5分も歯磨きにかけられない!」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は電動歯ブラシを使うのも選択肢のひとつです。電動歯ブラシは、短い時間でも効率的にブラッシングして歯の汚れをスッキリ落とすことができます。最近はスマホのアプリと連動して、磨き残しがないかチェックできる機能がついているモデルまであって、本当に便利です。
ただ、電動歯ブラシは、慣れないと普通の歯ブラシのようにゴシゴシと動かしてしまったり、歯に強く押し当てすぎたりして、効率的に磨けていないというケースもあるようなので、「なんだかイマイチ効果を感じない」と思われている方は一度歯科医に相談してみるとよいでしょう。
2. 自分に合った歯磨き粉を選ぶ
歯磨き粉は、自分のお口の状態に一番合ったものを選ぶことがポイントです。
虫歯になりやすい方、歯周病が気になる方、口臭が気になる方、歯の白さが気になる方など、特徴は人それぞれなので、歯磨き粉に書かれた成分などを参考にしながら、自分に一番合った歯磨き粉を選ぶようにしてください。
例えば虫歯になりやすいと感じている方には、高濃度のフッ素が配合されているものがあります。フッ素は歯を強くして口内の細菌の活動を抑える作用があるので、1000ppm~1500ppmの高濃度のものが入っているものを選ぶとよいでしょう。
歯周病予防用の歯磨きは、生薬配合、プロポリス配合などの市販品も多種多様なので、どれを購入すればよいか迷ってしまいますね。
今使っている歯磨き粉が自分に合っているかどうか不安な方は、歯科専売品などもありますので、一度歯科医に相談してみるとよいでしょう。
3. デンタルフロスや歯間ブラシを使う
毎日5分以上しっかり歯磨きしている方は、フロスや歯間ブラシなんて不要、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、虫歯や歯周病は歯と歯の間で進行しやすく、歯並びの状態などによっては歯ブラシだけで歯間までしっかり磨くのが難しいこともあります。歯ブラシで磨けない部分をカバーするために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのは非常に効果的です。
ただし、フロスや歯間ブラシの使い方を間違えると歯ぐきを傷つけてしまうおそれもあるので、使い方がよくわからない方は歯科医に聞いてみるとよいでしょう。
また最近は「エアーフロス」という便利な商品もあります。
電動で水を噴射して歯と歯の間をきれいにするアイテムで、使い方も簡単で歯ぐきを傷つける心配もありません。
値段はちょっと高いですが、検討してみてもよいかもしれませんね。
4. ジュースやお菓子は控えめに
炭酸飲料は歯が溶ける、という話はよく聞きますが、実はオレンジジュースやスポーツドリンクなど、わたしたちの身近なソフトドリンクには「酸性」の飲み物が多いってご存じでしたか?
酸性の飲み物は、歯を表面から溶かしてしまいます。酸は唾液の作用で中和されるので、少量であれば問題ありませんが、たとえばペットボトルサイズのものなどを長い時間をかけて飲み続けたりしていると、唾液の中和が追いつかなくなって虫歯になるリスクが高くなります。
また、お菓子も要注意です。
糖分には中毒性があり、砂糖は「マイルドドラッグ」とも呼ばれていて、食べれば食べるほど止められなくなる、という怖い性質があります。
糖質は摂取してから最も早くエネルギーに変わる即効性のある栄養素ですが、脂質に比べると体内に貯められる量は20分の1と小さいため、すぐに空っぽになってまた次が欲しくなります。
糖質だけをエネルギー源にしていると、虫歯だけでなく肥満や糖尿病、狭心症、心筋梗塞、アトピー、脳卒中、がん、うつ病といった病気のリスクも高くなるので、健康にとってとても危険です。
ジュースやお菓子は控えめに。そして食べたら食後に必ず歯磨きをするという習慣を心がけてくださいね。
5. 定期的に歯科検診に行く
さて、最後はやはりこれですね(笑)
歯の健康は、歯科健診の義務化が検討されるほど、全身の健康に影響があることがわかっています。
現代社会の食生活の中では、知らない間に虫歯や歯周病が進行している可能性があり、歯の定期的なクリーニング(定期健診)をせずに歯を生涯にわたって守っていくことが難しい環境なのです。
当院では2~4ヶ月に1回の定期健診をおススメしています。
定期健診では、虫歯のチェック、歯周病のチェック、歯のクリーニングをするので、健診をしていれば、虫歯や歯周病になるリスクはグッと下がります。
トータルで考えると虫歯や歯周病になってから治療をするよりもずっと安く済む上に、早期発見によって大がかりな治療が必要になる前に処置することができるため、身体的な負担も少なくて済みます。
一生楽しく食事ができる幸せのために、今ある歯を大切にしてくださいね。
記事を作成する際に参考にした書籍は、『人生100年時代歯を長持ちさせる鉄則』です。
(参考:魚田真弘,『人生100年時代歯を長持ちさせる鉄則』, クロスメディア・パブリッシング (クロスメディアグループ) ,2021年8月)