なぜ歯周病になるのか〜歯周病は感染症で生活習慣病?〜
こんにちは、静岡市の歯科医院『駿河デンタルオフィス』です。
今回は、なぜ歯周病になるのかということをお話ししていきます。
歯周病になっていく過程
健康な歯と歯茎の間の歯周ポケットの生理的な隙間は1ミリ〜2ミリと言われています。この状態だとバイ菌が増殖しません。ところが3ミリ〜4ミリ程度になってくると、嫌気性菌という空気のないところを好むバイ菌が増えてきます。そして、5ミリに達すると嫌気性菌は激増します。
虫歯の原因となるミュータンス菌は好気性菌(空気があるところに存在する菌)なので、歯の表面の砂糖を餌にします。砂糖が入ってこない歯茎の間の嫌気性菌は、血液、歯茎そのもの、タンパク質、などを餌にします。タンパク質や骨を分解する酵素を出して、歯の周りの組織、すなわち歯周組織を壊します。歯周組織を壊す病気だから、歯周病というわけです。
歯周病が進行するとどうなるか
歯周病菌は、生きるために歯周組織を壊します。血液中の鉄分や血液そのものを養分にして、増殖していきます。本来であれば死んでしまった動物が腐敗する過程で起こるようなことが、生きている人間の歯と歯茎の間で起こっているというイメージです。
歯周病にかかると最終的には歯が抜けてしまいます。歯が抜けるのも怖いですが、歯周病の怖いところは全身疾患との関連が極めて強い病気だということです。
嫌気性菌が増える理由2つ
どのようにして歯周病の原因となる嫌気性菌は増えるのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。
理由その1 手入れ不足
歯を全然磨かない人、磨けてるつもりになっている人、歯の表面だけ磨いて歯と歯の間が磨けていない人は、少しずつ嫌気性菌が増殖して、炎症が徐々に強くなっていきます。炎症が強くなると、歯肉の中に菌が入ってくる確率が高くなります。人によりますが、10年〜20年かけて、歯周病が進行していきます。
歯周病は本来は感染症ですが、手入れ不足での歯周病は生活習慣病です。解決法は、歯科医院に行って歯ブラシ指導、口腔清掃指導をしてもらう、歯石を取る、など出来るだけ口の中を綺麗にすることです。
理由その2 感染症
歯周病は感染症です。感染の窓(インフェクショナルウィンドウ)が開いている時に主に感染します。具体的には6歳前後です。なぜかというと、永久歯が生え変わるタイミングだからです。永久歯に生え変わる時には、必ず上皮の欠落があり歯茎から血が出ます。極端なことを言えば、胃潰瘍と同じ状態です。そういう状態の口の中に細菌が入ってきた際、血を好む細菌やタンパク質を好む細菌が歯茎にへばりついてしまうのです。そういった細菌の多くは親から子どもに感染しています。箸やスプーンを共用するのはやめましょう。
まとめ
駿河デンタルオフィスは、歯周病と真剣に向き合っています。歯についてお困りごとがある方は、ぜひ駿河デンタルオフィスにご来院ください。