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5-D Japan 歯科衛生士コースに参加しました

こんにちは。歯科衛生士の竹田です。9月に入り、少しずつ暑さが和らいできましたね。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、8月26,27日に大阪で行われました5-D Japan 歯科衛生士コースに参加しましたので報告します。前回の6月に引き続き同じメンバーのため、久しぶりの再会に会場が初回より和んでいました。

セミナー第2回目の今回も、講義と実習がありとても充実した2日間となりました。今回は講義の中で特に印象に残った歯科における全身疾患との関係について書いていきます。現在、健康番組などでも歯科について放送されご存じの方も多いと思いますが、お口の中の病気(特に歯周病)はお口の中だけでなく全身の病気にも大きく関わっていることが知られています。

歯周病がリスク要素になることがこれまでに報告されている主な全身疾患

お口の中には、数百種類の細菌が存在しています。慢性的な歯周病による歯肉の炎症が起きて歯周病が悪化すると、炎症部分から細菌が血液に流れ込んだり、細菌を飲み込んで消化管へと運ばれることで、お口の中の細菌が全身へと回ります。その結果さまざまな全身疾患を発症、悪化させてしまいます。

【糖尿病】
検査値:HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)正常値 4.7~6.2%
空腹時血糖110mg/dL以下

糖尿病で歯周病が進行する理由
お口の中が乾燥する(トイレが近くなるので体内の水分量が減る)
→乾燥によりお口の中の細菌が繁殖しやすい
☆唾液などの糖分濃度が高くなる
→お口の中の細菌のエサが増える
免疫力が低下する
→歯肉の治りが悪くなる

歯周病で血糖値が上がる理由
☆細菌感染症(歯周病)の影響によりインスリンの働きが悪くなってしまう
☆歯周病は生活習慣病、糖尿病も生活習慣病
☆歯周病により歯を失うと、食べ物をうまくかめず、やわらかい物が多くなる。お口の中が汚れやすくなる。
ということが、わかっています。

糖尿病が歯周病に及ぼす悪影響の多くは、血糖値が高いこと、血糖コントロールが悪いことを介するものです。つまり、糖尿病があってもしっかりと血糖コントロールをしていれば、歯周病の起こりやすさは、糖尿病でない人とあまり差はないと考えられます。

さらに近年では、「糖尿病患者の歯周病を徹底的に治療することで、血糖コントロールが改善された」という報告がよく見られるようになってきました。糖尿病と歯周病を同時にきちんと治療していくことで、病状をコントロールすることが可能になります。

【喫煙】
タバコの煙には、4000種類以上の化学物質が検出されています。(ニコチン、タール、一酸化炭素など)
そのうち発がん性が確認されているものだけでも200種類を超えるといわれています。
タバコの煙は、肺・消化器・皮膚そしてお口の中からも唾液に溶け粘膜から体内に吸収されていきます。

タバコの煙に含まれる三大悪物質
ニコチン・・・タバコ依存症の原因物質
タール ・・・発がん性
一酸化炭素・・・血液中の酸素の運搬を低下させ、各臓器、組織への酸欠状態をもたらす

喫煙がお口の中に与える影響
お口の中を栄養失調状態にする
→ニコチンの影響により歯肉の血液循環を悪化させる
お口の中を酸欠状態にする
→一酸化炭素が血液中の酸素の運搬を低下させ、お口の中の細胞の活動を阻害する
☆歯肉の硬化と線維化を進行させる
→ニコチンや一酸化炭素の影響により、歯肉がゴツゴツした状態になり、歯肉の炎症がわかりにくくなる
白血球の活動を抑制する
→歯肉の炎症を悪化させる
☆繊維芽細胞の造成を抑制する
→歯周病の回復に必要な繊維芽細胞の働きや発生が妨げられる
☆毒物質の直接的な薬理作用が炎症を強める
→タバコに含まれる有害物質が刺激となり炎症を強める
免疫力を低下させる
→治癒しても改善しにくく歯周病を悪化させる
☆ニコチンの影響により、唾液の分泌量が減る
☆皮膚や粘膜に、タールやメラニン色素を沈着しやすくする
☆ヤニの沈着
☆血液中のビタミンCを破壊する
→炎症や傷の回復の低下
→殺菌、制菌作用が衰え歯垢の沈着が増加する
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると約3倍に、20本以上吸っていると約5倍に上昇し、また重症化しやすくなります。
喫煙は歯周病の二大危険因子のひとつで、喫煙と歯周病は密接に関連しています。

お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病(歯槽膿漏)にかかりやすく、ひどくなりやすいので、更に治療しても治りにくいことがわかっています。
しかし、禁煙により歯周病を予防し、たとえ進行した歯周炎であっても歯周治療による治癒がよくなり、歯の喪失が抑えられることも明らかにされてきています

歯肉の炎症が全身に多くの影響を与えることは昨今の研究で明らかになってきています。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながりますまた、全身疾患の適切な治療をしてコントロールしていくことで歯周病の進行を予防することが可能になります。

まずは、現在のご自身のお口の状態、体の状態を把握することが大切です。歯科医院で、お口の中の状態に合わせた適切な治療を受け、治療後も良い状態を守っていけるように定期的な健診を受けていきましょう。お口の健康が体の健康を守ることにつながります。これからも患者様ひとりひとりの健康づくりのサポートがよりよくできるように、日々心掛けていきたいと思っています。

 

 

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