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歯周病のセミナー(JIPI)を受講しました

勤務医の森川です。今回は11月28、29日に参加したJIPI(Japan institute of periodontology and periodontology)での講義内容の一部についてお話ししたいと思います。

これまでに歯周病における抜歯の基準について、そして歯周組織と歯周外科について学んできました。
今回は抜歯後の治療方法の一つであるインプラントについての講義と実習でした。
<下の写真は当院でのインプラント治療の前と後です。>
『治療例1』

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黄色の矢印の白い歯がインプラント治療をした部分です。

『治療例2』
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1952年にスウェーデンのブローネンマルク先生がウサギの骨にチタンを埋めたところ、チタンが骨と結合をする(オッセオインテグレーション)ことが発見され、そこから歯科に対して応用する研究・開発が進められ1965年に実際に臨床で使用が開始されました。

現在では歯を抜いた後、あるいは歯が無い(欠損している)部分に対し機能的かつ審美的な回復が期待できる治療方法であると言えます。

インプラントが実際に臨床応用されてから現在に至るまでの間に大きく変わったことが2点あると思います。
インプラント埋入手術に対する考えデジタル機器の発展・普及です。

インプラントとは簡単に説明すると人工の歯根のことです。

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詳しく説明すると上の図のように骨の中に入っていて歯の根の代わりの役目を果たす部分をインプラント体(フィクスチャー)と言います。
インプラント体の材質はメーカーによって様々で純チタンやチタン合金またハイドロキシアパタイトといった材料から構成され、またデザインもメーカーにより特徴が異なります。
さらにこのインプラント体の上に上部構造と呼ばれる内冠(アバットメント、被せの土台となる)と外冠(被せ)が入ることで元あった歯に近い機能を回復していきます。

インプラントが実際に治療に用いられた当初はインプラント体を入れるための骨がある所にインプラントを入れることを優先することが多く、被せ物を装着する時になって元々の歯とは大きく異なる形態の被せ物を装着せざるを得なく、その後のブラッシングが難しくなるということが多くあったそうです。

ブラッシングが難しいということは、インプラントの上部構造の部分にプラークが残りやすくなり、結果としてインプラントの周囲の歯茎(肉)に炎症が起き、インプラント周囲炎を発症する可能性が非常に高まるということになります。
(※インプラント周囲炎とはインプラントが歯周病のような状態になりインプラント体を支えている骨が吸収される病態のことを言います。)

現在ではインプラントを行う前には適切な上部構造を入れるためにどこにインプラント体を位置付けするべきかシミュレーションを十分に行います。
そしてその位置にインプラント体を入れるために十分な骨が存在しなければ骨造成という骨をつくる治療を併用してインプラント治療を進めていくことを計画していきます。
このシミュレーションの段階でCT 撮影を行うことは非常に重要です。骨の形態は勿論三次元の形態ですので、インプラント体を入れたい部位の骨の形状をより詳しく調べるためには二次元的なレントゲン写真に比べCT写真の方がより精度の高い情報が得られます。

また骨の状態だけではなくインプラント手術を行うに際し注意が必要な下歯槽神経(下顎の中を通る神経)や上顎洞(上顎の骨の中の空洞)などの状態も合わせて確認することが可能です。

CTといった機器が開発され、歯科治療にも応用されることによってインプラント治療も以前より安全に行われるようになったと思いますがすべての歯科医院に普及している機械ではありません。

またCTから得られる情報が生体の100%正確な情報であるとは限りません。治療に限らず日常生活においても便利なものがあると信じて頼ってしまいますが、知識と有用な機器から得られる情報を応用して治療に臨む必要があると思います。

今年もJIPIセミナーを引き続き受講し、さらに知識と経験を増すことで皆様のお口の中の健康と全身の健康を保つお手伝いができるよう精進していきたいと思います。

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