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歯周組織の安定を目指した審美修復治療』セミナーを受講しました

勤務医の森川です。今回は6月4日に大阪で行われたセミナーについてのお話になります。
大阪で開業されている六人部慶彦先生が『歯周組織の安定を目指した審美修復治療においてチェアサイドですべきこととは』という題目の講演をして下さいました。

虫歯になった歯については虫歯になっているところを取り除き、その後人工材料で形態や機能を回復していきます。どのような材料で形態を回復するかは虫歯の範囲や深さ、咬合(咬み合わせ)や予算(保険診療か自由診療か)を考慮し決めていきますが、その回復した材料の周囲には歯だけではなく歯肉をはじめとした歯周組織も存在します。

形態や機能、審美を回復することばかりを重視して周囲の組織を無視した場合、装着した修復部(詰め物)や補綴物(ほてつぶつ=被せ物)に長期的な予後を期待することはできなくなってしまいます。

今回は長期的に歯周組織が安定し、審美性と機能性を兼ね揃えた被せ物を装着するために考えなければいけないことについて学んできました。
詰め物や被せ物は型を採った後、歯科技工士さんに依頼して作製することになります。

そのため患者さんの要望と術者である歯科医師の意図を正確に歯科技工士さんに伝え作製してもらうことも大事な過程になります。歯科医師として診療室で行うこと、そして歯科技工士さんに伝えるために必要なことについても話を聞いてきました。

保険診療において奥歯で被せ物を作製する場合、虫歯を除去し被せ物が装着できるような形態に歯を形作るところ(形成)から型取り(印象)をするまで1回の治療で終えることが殆どです。

そして次回には補綴物が完成した状態で技工所から出来上がり装着するという流れになります。回数が少なくて済む、また安価で済むというメリットがあるかもしれませんが、それでは歯周組織と調和した被せ物を装着することは難しいと思います。

実際適切な被せ物を装着するためにはそれ以前に多くの過程が必要になります。形成を行った後には仮歯(プロビジョナルレストレーション)を作製し、最終的に装着する被せ物の形態や機能を具備できるか判断したり、また患者さんの希望する形態であるか判断する材料にしていきます。

他にも被せ物と歯との適合性を高めるために歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)下で形成を行うことや、精度の高い型取りを行うために歯肉圧排(しにくあっぱい)を行う、変形の少ない型取りの材料を使用することも保険診療との違いになります。
そして印象を行ったあと次回補綴物を装着するのではなく試適という段階をはさみ患者さん、術者、技工士と最終的なすり合わせを行っていきます。

こうした複数の過程を経て完成、装着となりますが、今回のお話を聞いて痛感したことは虫歯によって失ってしまった歯の形態・機能を回復するためには天然歯の形態や機能を把握することと各歯科材料の特徴を把握していることが重要であるということです。
まずそれを把握した後、個人個人のお口の中に調和したものを考えていく必要があると思います。

一度失われた歯を全く元通りにする方法はないですし、二次的な感染のリスクもあります。しかし長期的に安定し、不安なく使って頂けるものを提供していきたいと思います。

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