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歯周病のセミナー(JIPI)を受講しました

2016/11/17

勤務医の森川です。
今回は4月23,24日に大阪で行われたJIPIセミナーについてのお話になります。これまで歯周病やインプラントに関わる外科的な処置について講義や実習を受けて参りましたが、今回は模型ではなく豚の顎(勿論死後の豚)を使って実習し、これまでの総復習をしてきました。
実習はGBR(骨を作る処置)と歯周外科(APF:歯肉弁根尖側移動術、FGG:遊離歯肉移植術、CTG:結合組織移植術)とそれらに必要な切開(切って)、剥離(開いて)、縫合(縫う)、そしてインプラント埋入という内容でした。

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豚で行った実際の実習中の写真

重度の歯周病が原因で歯が残せなくなりインプラント治療が必要となる場合、歯があった時の本来の健康な状態よりも骨や歯肉(歯茎)が不足していることがほとんどです。
骨や歯肉(歯茎)が不足したままインプラント治療を進めると適切な形態の被せ物を装着することが難しくなり、咬む、話すと言った機能への影響、審美性(見た目)への影響、またブラッシングがしにくくなるなどの様々な問題が生じます。
そのためインプラント治療を行うにあたり出来る限り骨や歯肉を元の状態に近づけることが理想とされます。
歯周病や抜歯によって失われた骨や歯肉(歯茎)はそのままにしていても再生は期待できないため、骨の代わりの働きをする人工材料を使用して骨を作る処置(GBR)や自身の口の中で骨や歯肉(歯茎)が十分にあるところから移植(FGGやCTG)を行う必要が出てきます。

インプラント治療に際して骨を作る処置が必要と判断した場合、どの時期にどれ位の骨を作らなければならないのか、手術の回数を分けて行う必要があるのか、またどのような材料を使用するのか決めていきます。
骨が大幅に不足していて垂直的(骨の高さ)にも水平的(骨の幅)にも三次元的に作らなければならない場合と骨の不足量がわずかな場合とでは処置する時期や術式も異なってきます。
また上顎の骨には一般的に第一小臼歯(犬歯の後ろの歯)から大臼歯(奥歯)の歯根の先の近くに上顎洞(じょうがくどう)という空洞が存在するため上顎の臼歯部に骨を作る場合には上顎洞にも骨を足す処置を行うのか、行うのであればどこからアプローチするのか考えるため下顎とはまた違った配慮が必要となります。

そして切開(切る)、剥離(開く)、縫合(縫う)と一口に言っても目的に応じて適切な方法を選択していきます。
例えば骨を作るGBRでは骨の代わりとなる人工材料をもともとある骨の周囲に置いてくるためボリュームが増し、元の少ない状態の骨を覆っていた歯肉では覆い隠すことができません。そのため歯肉を伸展させられるように切開を行い人工材料をきちんと覆えるようにし、さらに傷口が開かないしないよう適切に縫合を行います。

それに対しAPF(歯肉弁根尖側移動術)とは歯肉を根尖側に、すなわち根の尖端の方に(上顎であれば上に、下顎であれば下に)位置をずらすことを目的とするためGTRのように伸展させる必要性はなく、ずらしたい所に歯肉を確実に位置づけられるような切開、縫合方法が必要となります。

こうした細かい手技を限られた歯肉(歯茎)の厚みの中で行い(歯肉・歯茎の厚みはだいたい1mm程度です)、また特にアジア人(日本人)は欧米人と比べ非常に歯肉が薄いため細心の注意を払わなければなりません。

JIPIを主宰する牧草先生は組織学に精通されているため組織学的な見地から理にかなった歯肉の切開や剥離などの外科的な手技を教えて下さいます。

実際にJIPIを受講し治療に組織学的な眼を持って臨むようになって治癒の傾向にも違いを感じ始めてきました。全てにおいて言えることですが基礎的な知識や技術の上に応用が成り立ちます。これからも基礎的なことを大事にし精進していきたいと思います。

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