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静岡県口腔インプラント研究会に参加しました

2016/11/08

勤務医の森川です。
今回は2月22日に行われた静岡県口腔インプラント研究会に院長の八田、衛生士の沖舘と共に参加致しましたので報告させて頂きます。

今回は大阪大学予防歯科学教授の天野敦雄先生の特別講演と
浜松市で開業され、また5D Japanのファウンダーである石川知弘先生の教育講演と会員の先生方の一般講演(症例発表)でした。

天野先生は『インプラント治療に必要な歯周病の科学』という演題で、歯周病と細菌の関係についてお話してくれました。
歯周病は細菌によって起こる感染症であることは多くの方がご存知だと思います。ヒトの体は口、胃腸といった消化器、そして肛門までが一つながりの長い管のような構造になっており、口腔内(こうくうない=お口の中)には直腸に匹敵する程の細菌が存在します。

saikin
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では、生まれたての赤ちゃんのお口の中に細菌は存在しないのに、どうやって歯周病菌は口の中に入り込み、歯周病が発病するのでしょうか?
大阪大学歯学部病院においていつ歯周病菌が口の中に定着するのか年代別に調査したところ、3歳から15歳の間では歯周病菌は存在したりしなかったり定着はしていないこと
18歳から20歳位の間に定着するということが分かったそうですが、まだ感染経路についてははっきりとは分からず、家族や友人との食事の共有(回し飲み、直箸など)、歯周病菌を保有する人とのキスなどが感染経路として考えられるとのことでした。

しかし歯周病菌が口腔内に存在したからといって必ずしも歯周病が発病するわけではありません。口腔内には病原性の低いものから高いものまで多種多様の歯周病菌が存在します。

その菌の構成と病原性の程度を図2の様にピラミッド状に表現したものがあり、特に病原性の高い細菌はピラミッドの頂点、赤いところのもので特にPorphyromonous gingvalis (P.g菌)は非常に病原性が高い細菌です。

sisyubyokin
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P.g菌には共通したある特徴があります。P.g菌は鉄を栄養としていることです。歯周病菌が集まると体の防御機構(免疫反応)として血液成分が集まってきます。その為歯茎が充血し赤味を帯びたり、腫れたりするのですが、歯茎から出血が起こると血液中の鉄が流れ出るため鉄を栄養源とするP.g菌は爆発的に増加し、力を蓄えます。
つまり『歯茎からの出血=歯周病菌の病原性の増加』ということになります

biofilm
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天野先生は歯周病治療の目標とは歯肉から出血が起きない状態を常に保つこと、常在バイオフィルムの状態に戻す事であるとお話されていました。そしてその為にはスケーリングやSRPといったプラークや歯石を除去する歯周治療が必要となります。またその後、歯茎からの出血はないかのチェックとセルフケアではきれいにはできなかったプラーク、歯石をクリーニングするメインテナンスも重要となります。このメインテナンスの期間は歯周病の状態やセルフケアの状況によりますが、3ヶ月毎に行うことをお薦めしています。

歯周病は細菌感染が原因だと分かっているのにどうしてなくすことができないのか尋ねられたことがあります。バイオフィルムは細菌の集合体でまるで要塞のようになっており、外側の細菌を除去することはできても内側の細菌までは取り除くことができないためです。

つまり、歯周病菌を減らすこと(除菌、殺菌レベル)は出来ても、ゼロにする(滅菌レベル)ことは不可能なのです。私達は細菌と生体はパートナーとして死ぬまで付き合っていかなければなりません。このパートナー関係が破綻すると歯周病が発病してしまいます。歯周病治療、定期健診(メインテナンス)を通じて細菌との良好な関係を築けるようこれからもお手伝いさせて頂きたいと思います。

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