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寺内吉継先生の『米国式根管治療Ⅱ〜リトリートメントを極める〜』に参加しました

2018/11/09

勤務医の森川です。今回は10月27、28日にデンタルアーツアカデミーで行われた寺内吉継先生の『米国式根管治療Ⅱ〜リトリートメントを極める〜』に参加しましたので報告を致します。

今回のセミナーは以下の内容について講義と実習が行われました。
・リトリートメントの診査・診断
・補綴物(クラウン、ポストコア)除去
・Regenerative endodontic therapy
・ガッタパーチャ除去、根管内感染除去
・レッジ除去
・Perforation repair
・破折器具除去
・Periapical surgery

リトリートメント(Retreatment)とは再治療のことであり、根管治療において再治療とは一度根管治療を受けた後に再び感染が起こり再治療が必要になった状況のことを指します。

平成28年に日本で行われた根管治療は15,624,276本という統計報告(e-stat)があり、その内訳は抜髄治療(≒初めての根管治療)が6,962,676本、感染根管治療(≒再治療)が8,661,600本でした。(下図 左グラフ参照)

実に一日に換算すると約4万本もの歯の根管治療が行われていることになります。この数を聞いて皆様はどう感じられるでしょうか?そしてこれは何を意味するのでしょうか?
抜髄治療の数より感染根管治療の方が数が多いということは、抜髄治療の多くが失敗に終わり再治療が必要な状態になっている
ということになります。(下図 右グラフ参照)

根管治療の失敗の一番の原因は治療後に細菌が再び根管内に侵入することによる感染です。初めて根管内を治療する抜髄治療が適切に行われることによって細菌の除去、減少した状態が得られ、そして細菌の侵入が起こりにくいように適切な補綴治療(被せ物)がなされ、定期的なメインテナンスによって口腔内の細菌叢のバランスが整えられていたらこのように多くの歯が再治療を受けることにはならないと思います。

しかし残念ながら日本の歯科保険診療において適切な根管治療を行うにあたって必要な器具、機材(歯科用CT、マイクロスコープ、ラバーダム、Ni-Tiファイル、超音波器具など)、薬剤(MTA、Bioceramicなど)は認可がされていない、或いは高価、操作が煩雑、治療時間が長く必要といった理由で用いられていないのが現状です。つまり保険診療で適切な根管治療を行うことは極めて難しいと言っても過言ではなく、適切に治療を行うとなると赤字であり無償に近い医療行為になります。

再治療が必要な時とは複雑な根管系に細菌感染が起きた状態であり、感染を除去することは容易ではありません。以下の図に示すように以前の治療で本来の根管系の形態を逸脱するような治療がなされ、そして細菌感染によって根尖病変がレントゲン上で認められる場合の治療の成功率はとても低くなります。

今回のセミナーでは本来の根管系から逸脱し、破壊された形態(レッジ、perforation)の修復方法、根管内の細菌の無菌化を目指す感染源の除去方法(ガッタパーチャ除去、根管内洗浄方法、MTAによる根管充填、periapical surgery)、そして治療によって度々偶発的に起こる治療器具の破折への対応について学んできました。

再治療が失敗に終わればその歯を残すことが難しく、抜歯に至るケースも少なくはありません。歯を残す為に必要な治療過程は抜歯をしてインプラント治療を行うよりも複雑かつ多いと思います。根管治療が必要となった場合に『だめになったらまた治療ができる』と思うのではなく、歯を残すことは難しいことであると考え適切な治療を選択して頂ければと思います。

今回の寺内先生のセミナーは非常に人気があるものの、一人一台マイクロスコープを使用しての実習であり定員も限られているため受講を希望してから約2年ほど待ちました。2日間では足りない位の多くの知識を得ることができましたが、これを体得し皆様の治療に還元していきたいと思います。
講師の寺内先生(左)と私

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