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名古屋で『続・第一大臼歯を極める』セミナーを受講しました

勤務医の森川です。今回は4月16日に名古屋で行われた講演会についてのお話になります。今回の講演は『続・第一大臼歯を極める』というテーマのもと歯内療法専門医、歯周病専門医、補綴専門医の3名の専門医の立場から第一大臼歯という歯について考察していく講演会でした。

第1大臼歯とは小学生になる頃、6歳位になると生えてくる永久歯のことです。この第1大臼歯は8種類(真ん中より奥にむかって中切歯・側切歯・犬歯・第1小臼歯・第2小臼歯・第1大臼歯・第2大臼歯・第3大臼歯)ある歯の中でも極めて重要な機能を果たしており、この歯をいかに健康な状態で維持し保存していけるのかによって他の歯の予後もかわってくると思います。

第1大臼歯は個人差はありますが最初に生えてくる永久歯です(親知らずを除くと最後に生えてくるのは永久歯は第2大臼歯で、第1大臼歯の奥に中学生になる頃に生えてきます)。
つまり第1大臼歯は多種多様の細菌が存在するお口の中に他の歯と比べ長くさらされている状態にあり、虫歯はミュータンス菌(虫歯の原因となる菌)の数や食習慣や唾液の性質の影響を受けますが、虫歯になるリスクが高い歯、虫歯になる年齢が早い歯とも言えます。
(実際私も永久歯の中で最初に虫歯になったのは右下の第1大臼歯です。)

健康な歯はエナメル質という非常に硬い組織に守られています。一度虫歯になってしまうと虫歯の大きさ、深さ、部位によって異なりますが何らかの人工材料で補う処置が必要になります。

その材料の下にはエナメル質とは違い虫歯に対する抵抗性の低い組織(象牙質や神経)が存在し、適合の良い材料で形態、機能を回復してもやはり細菌侵入の可能性は残り、再感染の危険性があります。適合の悪い材料で不適切な治療が行なわれれば尚のこと再感染する危険性が高まります。
その為一度虫歯になった歯は再治療が必要になるということが多く見受けられ、それが繰り返されると歯を喪失するという結果になってしまいます。
(1本の歯の治療できる回数はせいぜい4〜5回程度です。それ以上になると健康な歯の部分が少なくなるため歯を抜かざるをえない状態になります。)

虫歯の他に歯を失う主たる原因には歯根破折や歯周炎(歯周病)が挙げられます。
歯根破折は神経を取った歯(根管治療をした歯)に起こりやすいと言われています。根管治療を行わなくてはならないくらい深い虫歯の処置を行った後に残される健康な歯は正常な状態の歯と比べて非常に少なくなります。

また根管内に器具を到達させるため・感染した歯質を除去するため・適切に根管内を洗浄し封鎖するために元の根管よりも治療後は太くなってしまいます。
残された健康な歯の量が少なくなることより歯の強度が低下し、咬む力が経時的に加わることにより根に小さなヒビや亀裂が入りそれがやがて大きなることで破折が起こりやすくなります。

破折してしまった根に対して破折した部位を接着剤でくっつけたり、封鎖する方法が現在臨床で行われているのは事実ですが、どのような材料を用いて行っているのか、長期的な予後はどうなのか、また部位によって適応症が限られるといった問題点が残されています。

歯周炎(歯周病)は虫歯や歯根破折とは異なり、歯の周囲の組織である歯肉に炎症が起こることを起点として歯を支える骨(歯槽骨)が吸収し、進行することによって歯の動揺が生じたり、腫れが起こることで歯として機能することができなくなると抜歯に至ります。

下の図のように多くの第1大臼歯は歯根の形態が上の歯で3-4本に、下の歯で2-3本に分岐しています。

正常な場合であれば分岐しているところは骨さらに歯肉によって被覆されていますが、歯周炎が進行してくると歯根が分岐しているところが露出し、その洞窟のようになった隙間に細菌が侵入し、さらに歯周病が進行しやすくなります。
従って前歯や小臼歯よりもより複雑な歯根形態をしている大臼歯は歯周病が進行するとより難しい状況になるということです。

下顎の第1大臼歯は6歳頃に生えてきて、50歳前後で30%の方が喪失するというデータがあります。
この歯を健康な状態で維持できるよう虫歯や歯周病にならないようなケアと定期健診でのチェック、そして虫歯になった場合には再感染させないような適切な処置と歯髄の保護を、根管治療に至る場合は破折のリスクを低減するよう考慮した根管の形成と被せ物の処置を行っていければと思います。

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