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コンポジットレジンのハンズオンセミナーを受けました

2017/01/19

勤務医の森川です。今回は10月に京都の松風本社で行われたコンポジットレジンのハンズオンセミナーについてのお話をします。講師は世田谷で開業されている高橋登先生です。

コンポジットレジン(以下レジン)とは虫歯を削った際にできた穴を詰める歯科用のプラスチックの材料であり、虫歯が深くなく、また噛み合わせに影響の少ない範囲に適応となることが多いです。

高橋先生のレジンを用いた審美的な治療は世界的にも認知されており、これまで講演会に参加する機会はあったものの実習は定員にすぐ達してしまうためなかなか受けるチャンスがなく、今回は待ちに待ったセミナー参加でした。
(※レジンによる治療は保険診療で行う治療と、審美的かつ耐久性を備えた自費用のレジンを用いたダイレクトボンディングに大別されます。高橋先生の行うレジン治療は自費治療のダイレクトボンディングにあたります。)

今回の講義、実習を通してレジンを使った治療において鍵となるのは、まずレジン治療の適応症であるかの判断、レジンと歯との接着をいかに確実に行うこと、そして歯の形態を理解することであると思いました。

レジンは銀歯に比べると歯の色に近いため審美性を得やすい材料と言えます。また歯に処理を行うことで歯とレジンは直接付く(接着する)ので銀歯を入れる時のように便宜的に健康な歯を削らずにすむという利点もあります。

ただし当然のことながら欠点もあります。一番問題となるのはレジンが収縮するということです。
レジンには半固形のペーストタイプ、あるいは流動性のあるフロアブルタイプがあります。
歯を削った後にできた穴にペースト、あるいはフロアブルレジンを詰め特殊な光を当てることによってレジンは硬化します。

しかし硬化する際レジンは収縮するため、収縮量が多いほど歯とレジンとの間に隙間が生じることになります。そして隙間が生じるということはその隙間から経年的に細菌が侵入して再度虫歯をつくることを招いてしまいます。
このレジン最大の欠点である収縮に注意して治療を行わなければ健康な歯を極力残すという低侵襲治療であるレジン治療の効果が期待できません。

そのためまず考えなければいけないことはレジン治療の適応であるかどうかです。
『歯』といってもその生えている位置・その形態には異なる機能、目的が具備されています。
例えば咬む面は凸凹があり、尖ったところや溝があり歯の種類によってもその凹凸の形態は大きく異なります。虫歯によって失われた形態をレジンで治した際にまたその機能も回復されないようであれば適応から外れてきます。

例えば咬む面の溝に限局するような虫歯であればレジンで形態や機能の回復を期待することができますが、虫歯が咬む面から横の歯との間にまで拡がるような場合はレジンでその形態を回復することは技術に左右され、また咬む力に対する耐久性の面からレジンではなくセラミックを用いた方が予後が期待できる治療となります。

そして適応であるか判断した後に考えなければいけないことは接着についてです。レジンを歯と接着させるためには前もって歯に処理(前処理)を行う必要があります。
その際に使用する歯科材料の特徴を理解し適切に扱うことが大事であり、かなり慎重なステップであることを高橋先生は強調されておりました。

またレジンは特殊な光をあてることで硬化します。このただ『光をあてる』という単純に思えるステップにも注意が必要であるとのことでした。
光とレジンとの距離が離れるほど硬化していないレジンが存在することになり再度の虫歯を招くリスクを生じさせること
また照射する光が強すぎると神経へダメージを与えやすく
弱いと十分な硬化を得られないため症例によって光を当てる強さを考慮しなければならないこと
また機械(光照射機)も光を出す強さが経年劣化するため定期的なチェックが必要であることなど単純に思えることでも配慮すべきことが多々あり、単純だからこそ確実に行うことの大切さを感じました。

レジン治療は虫歯を削って詰めるというシンプルな治療方法です。そして大きくなく、あまり深くない虫歯の治療に汎用される治療方法です。したがって初めて虫歯になった歯が受ける治療がこのレジン治療であることが多いとも言えます。

このレジン治療をできうる限り長持ちさせるということはその歯の寿命を左右することとも言えます。シンプルな治療だけれども重要な治療であると、一つ一つのステップを丁寧に行っていこうと思います。

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